更新ができるケースとできないケースがありますのでケース別に分けて考える必要があります。経営する法人が赤字の場合、事業の継続性が問題となりますが、どのようなときに継続性があると認められるのでしょうか。出入国在留管理庁令和5年4月改訂版『「経営・管理」の在留資格の明確化等について』を基に検討いたします。
◆直近期又は直近期前期において売上総利益がない場合
- 直近期又は直近前期において売上総利益がない場合はベンチャーキャピタル等から出資を受けるような新興企業で革新性のある事業等のごく一部の例外を除いては、事業の継続性があるとは認められません。
- よって、上記の場合、残念ながら継続性の要件を満たさないため、経営・管理ビザの更新は難しいと言えます。
◆直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合
- 直近期末に欠損金がない場合は原則継続性がある方向で審査されます
- 当期に一時純損失を計上したに過ぎないとされ、基本的には事業の継続性は認められます。欠損金とは貸借対照表上の純資産の部にある利益剰余金がマイナスになっている状態のことを指します(繰越損失)。
- 次回の更新に向けて継続的に利益を積み上げるようにしてください。特に会社立ち上げ後数年間は利益の積み上がりが少なく、一過性の費用、経費性の大型投資などでも過去の利益剰余金を超える赤字となる可能性もあり得ます。十二分に留意を頂きたいと思います。
- 直近期末に欠損金がある場合はさらに細かくケースごとに審査されます。
- 直近期末で債務超過に陥っていない場合…疑義が生じない限り「あり」
- 債務超過とは貸借対照表上の負債の部の合計金額がが資産の部の合計金額を上回っている状態を指します。純資産がマイナスの状態とも言えます。
- この場合、欠損金が生じていたとしても債務超過でない限りは、今後1年間の事業計画書及び予想収益を示した資料の提出が求められます。
- 当該資料において疑義が生じない限りにおいては継続性があると認められます。
- また、必要に応じて中小企業診断士や公認会計士による評価書が求められる場合もあります。
- 直近期で債務超過に陥った場合…専門家の評価により「あり」
- この場合は、債務超過が1年以上継続しておらず、債務超過が1年以内に解消される見込みがあると中小企業診断士・公認会計士による事業の評価の提出により認められることがあります。
- 2期連続債務超過の場合…「なし」
- ベンチャーキャピタル等から出資を受けるような新興企業で革新性のある事業等のごく一部の例外を除いては、事業の継続性があるとは認められません。
その他、個別の申請に合わせて適切なご案内しますので、まずはお気軽に八王子を中心に多摩地域に密着した在留資格(ビザ)専門の当事務所当事務所の無料相談をお申し込みください。