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経営・管理ビザで設立する法人形態は株式会社と合同会社どちらが有利でしょうか?

設立する法人形態によって、経営・管理ビザの許可を得る上で有利・不利はありません。どちらを選ぶかは所有者兼経営者に委ねられるところです。ここでは一般的な株式会社と合同会社について比較していきます
 
◆概要
  • 株式会社は所有と経営の分離を図り大規模経営を意図する目的で所有者が適切に経営の執行状況を管理監督できるような仕組みが法令上定められています
  • 一方、合同会社は所有と経営が一体的に行われることにより、自由で柔軟な会社の運営形態です
  • しかしながら、従来から株式会社にあっても所有と経営が一体的になされている企業も少なくなく、株式の譲渡制限などを定める、相続人に対する株式売渡請求権を定めるなどとして所有と経営の一体性を保つ企業も少なくありません
  • 一般論ですが、法人との取引が多い場合は株式会社、個人消費者との取引が多い場合はあまり会社形態が前面に出ることも多くはなく、店舗名や商品ブランド名が認知されることになるので合同会社という法人形態をとるということで決定される方もおられます
 
◆設立時の費用
  • 合同会社のほうが一般的には設立費用は10万円程度安く済みます
  • 株式会社の場合(司法書士等の専門家手数料除く実費)
    • 定款に貼付する収入印紙代4万円(ただし電子定款の場合は不要です)
    • 定款の公証人による認証手数料は資本金によって異なりますが、資本金の額等が100万円未満の場合3万円、資本金の額等が100万円以上300万円未満の場合4万円、その他の場合「5万円」にと改められました。
    • 設立登記の登録免許税額は、資本金の額に1000分の7を乗じた金額ですが、15万円に満たない場合は申請件数1件につき15万円です
  • 合同会社の場合(司法書士等の専門家手数料除く実費)
    • 定款に貼付する収入印紙代4万円(ただし電子定款の場合は不要です)
    • 定款の公証人による認証は不要です
    • 設立登記の登録免許税額は、資本金の額に1000分の7を乗じた金額ですが、6万円に満たない場合は申請件数1件につき6万円です
 
◆出資者の責任
  • 株式会社や合同会社はいずれも債務に関してはその責任は出資した限度において負うことになりますので違いはありません
    • 会社法104条:「株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする」
    • 会社法576条4項:「設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第1項第5号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない」
 
◆決算公告義務
  • 株式会社には決算公告義務があります。株主総会終了後遅滞なく行わなければなりません。一方、合同会社には決算公告義務はありません
    • 会社法440条:「株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない」
  • 決算公告は定款に定める方法により行うことになります。通常は官報によると定められていることが多いです
  • 大会社以外の非公開会社では損益計算書ではなく貸借対照表の掲載を要します
  • 会社法上は決算公告の義務に違反した場合、行政罰として100万円以下の過料が処されます(会社法976条2号)
  • 経営・管理のビザを更新する上では会社が適正に営まれていることも要件となります。適正に会社法上の義務の履行をしましょう

当事務所では法人設立に関する定款作成業務は行っておりません。登記申請含めて適切な専門家をご紹介いたします。経営・管理での在留資格申請については、お気軽に八王子を中心に多摩地域に密着した在留資格(ビザ)専門の当事務所当事務所の無料相談をお申し込みください。

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